お忍びでござる!

一ヶ月に1回は、街の治療院見学に行こう…
そう思って以来、どれくらい経ったやろうか。
思うのはカンタンで、いざ実行しようとすると、なかなかムズカシイ。まぁ、この件に限らずやね。
さてさて、今回行ってきた治療院は、以前一度訪れた際、先に来ていた患者が1時間コースを受けていたため、待たずに帰ってしまった所である。

「2度も足を運んでやるんやから、有り難く思えよ!」などと、えらく高飛車だったりする。
別に肩が凝ってて仕方がないとか、マッサージ大好き…ってわけではなく、あくまで業界研究と勉強のためである!
いやいや、いつものふざけた調子ではなく、今日は珍しくマジメモードです。

いつもはマッサージする側に立ってばかりで、患者の心境になることがほとんどない。
例えば、いつも「強すぎたり弱すぎたら言って下さいね〜」と口では言うが、実際患者としては要望があっても言い難いんやないか?
と、思った。
実は何を期待していたのかというと、そういう気分を患者側に立つことで、味わえるんやないか?ということだった。
もっというと、「ここを押して欲しい〜」とか「痛い〜もう少し弱い目で頼む〜」とか、「なんでそこをもっとやってくれへんの?」とか、そんな心境になって、患者の思いを味わってみたかった。

「今からいけますか?」
「はい、どうぞ!」
奥の小さく仕切られた小部屋へと通されると、そこは床に布団を敷いてある簡素な作りで、日々ベッドで揉まれ慣れている身としては、やや新鮮味があった。

「お願いしま〜す!」…さてさて、まずはお手並み拝見と行きますか…
ここで重要なのは、相手がどんな揉み方をするのか…とか、手を伺っているなぁ…という雰囲気を出さないようにマッサージを受けることで、あくまで一人の患者・お客さんに徹することである。…がしかし、やはり勉強なので見るところは見なければならないのである。

さてさて、いよいよ始まる…なんか緊張して身構えていると、真新しい手拭が広げ難くかったのか、勢い良くバサァ〜と振って広げたので、こちらにもペシッと当たる。ちょっと乱暴?!ん〜でも、今にして思えば、この適当さがなかなかいい。

揉み始めも、なかなかいいかなぁ…と思おうとしたら、何か適当っぽい。
しか〜し、開始10秒くらいでピ〜ンと来た…今回もアタリです!
丁寧に扱っているわけではなく、やや粗暴かなぁ…?!と感じさせつつ、適当に揉んでいそうで、実はポイントを外さないその揉み方…

「フッフッフッ、おぬしなかなかやるではないか…!あっぱれじゃ!」

と、相手には聞こえぬよう心で呟いた。

ここまで書いておいてなんだが、特別にうまい!というわけではなく、むしろケチが付けられないと書くべきかな。
同じことやん?と思うなら、それが違うんやなぁ…
1回目ってこともあり、挨拶代わりっちゅうことで、多分基本パターンでかましてきたと思う。
さすが玄人である。
最初に期待していたモノとは違ったが、大いに参考にさせて頂く!